Q: Yale SOMは日本人卒業生が比較的少なく、日本での就職活動を行う上で不利にならないか?
A: 歯切れの悪い回答になりますが、業界や規模、御本人のバックグラウンドによって学校が影響を与えられる範囲が大きく変わるので、場合によります。それでもあえて一般化すると、US Newsランキングが概ね5位以内で日本人が多いスクールに比べると不利、その中でも日本人が少ないあるいは概ねUS News10位以内のスクールであれば有利/不利なし、概ね10位以下のスクールに比べると有利と言えると思います(データのない、個人の主観である点にご留意ください)。
米国コンサルティング会社の中ではトップスクールとして認識されているので、その一環として東京オフィスからも同様の扱いを受けています。したがって、東京で外資系コンサルティング会社にMBA新卒で入社したい場合は一般的な他のスクールよりも有利な扱いを受けると考えられます。他の観点では、日本人Alumniの人数が少ないことから、MBA卒採用をしていても面接でAlumniに当たる可能性が低い投資銀行やその他事業会社などではその会社の日本オフィス在籍Alumniの人数に応じて有利/不利になることが想定されます。まずは希望業界/職種/地域/企業における各MBAスクールAlumniの数を調査することをおすすめいたします。
Q:留学生がアメリカで就職活動するのはハードルが高いのではないか?
A: 日本からの留学生を含め、ビザ保有有無に関わらずアメリカ・第三国でのオファーを手に入れる留学生は多数おります。学校側も、国籍やGreen Cardなどのビザを持たない留学生に対してサポートを充実させています。例えばConsulting Club / Finance Club / Tech Clubなどのクラブでは過去数年間にビザサポートをした実績のある企業のリストを共有したり、留学生サポートセンターでは就労ビザ取得サポートをしたりと、他の修士課程にはないサポートが充実しています。また、弊校MBAは指定の授業を取ることでSTEM認定を受けることができ、卒業後に米国で働くためのビザ免除期間を伸ばすことができます(MBA / STEM / OPT等で検索ください)。ビザ取得の課題がある分米国人に比べて難易度は上がりますが、弊校MBAの教育を通じて米国で管理職として働くための作法やスキル、要件を身につけられるので、現実的な選択肢だと思われます。私見ですが、多くの日本人がMBA卒業後に日本に帰国する理由は、魅力的な職業が日本に多いことや、生活の質が高いことだと考えます。
Q: 都市部にある学校に比べて、就職活動が難しくなるのではないか?
A: 最近はほとんどの会社説明会や面接がZoomにて行われるため、「面接が受けられない」などの不利はありません。一方で、MBAや学校にあまり関係ない業界イベントなどへは参加しにくいため、その点では不利になります(が、そもそもMBAをうまく活用できない就職機会なので、あまりターゲットにする必要はないのでは?)。
弊校はYale UniversityやSOM自身のブランドを活用して様々なカンファレンスを開催してオンサイトネットワーキングの機会を学生に与えており、これはむしろNY and Bostonから「近い」からこそオンサイトでの開催ができている側面があるようで、MBAスクール全体から見ればむしろ有利なグループに入るようです(New HavenはNYから電車で2時間、ボストンから電車で3時間弱と比較的近い距離に位置しています。特にNY行きの電車は安価で本数も多いため、平日に日帰りでNYを訪れることも可能です。ボストンキャリアフォーラムへも気軽に参加できます。)。また、大手コンサルテイング会社や投資銀行、MBA採用に積極的な事業会社などはSOMにて説明会と選考会を実施しているほか、各クラブ主催のイベント等で様々な業界のトップエグゼクティブも一年を通じてSOMに訪れているので、そこでコネクションを築く機会は他の学校より多いように思います。こういった場面では、Yale及びSOMのブランド・Alumniネットワークがかなり強力に働くようです。
一点だけ、米国投資銀行就職活動をする場合には、週に何度もNYに呼び出されるためNYにある学校の方が便利です。ただこれも、就職活動がしやすいと採用人数枠に対して応募する人数が多くなり、同一学校内での競争が激しくなるだけなので、内定の結果にはつながりにくくなるのではと推測します。一流MBAに入学してくるような優秀な米国人同級生と競争できる自信がある方はそちらに挑戦してみても良いかもしれません。
Q: 日本からYale SOMに来ている人たちの就職先は?
A: 網羅はできておりませんが、近年の日本関係者私費生フルタイム就職実績を挙げると、Dimentional Fund Advisors (Investment Fund/Texas)、 Integral(Private Equity/Tokyo)、RMB Capital(Investment Fund/California)、Google(Tech/Tokyo)、Expara(Venture Capital/Singapore)、Cogent Labs(AI/Tokyo)、Paypal(Tech/California)、Merrill Lynch(Investment Banking/Tokyo)、McKinsey(Consulting/Tokyo)等です。