· 

米国でのInvestment Banking就職活動

※本稿はYale SOMの活動紹介目的ですので、IB就活奨励やノウハウ提供は目的ではありません。あくまで筆者の体験に基づく主観であることにご留意ください。特にVisaの情報についてはご自身で弁護士や米国政府にご確認ください。

 

日本と同様に、米国でもMBA後の就職先として投資銀行(Investment Banking: IB)は人気があるようです。高給や都市部で就業できること、MBAで学ぶ金融関連の知識を活かせること、Visaサポートの可能性が比較的高いこと(Structuredであり、過去のスポンサー実績が共有されているため)といったことが理由のようです。また、大手IBであれば大体がVisaをスポンサーしてくれているため、どうしても米国に残りたいInternational Studentにとってはとてもよい選択肢のように思いました。

 

SOMの学生も、毎年15%弱がIBに就職しています。再生可能エネルギー系・エネルギー系に特化した投資銀行も人気があり、School of the EnvironmentやJackson SchoolとのDual Degreeの学生の中には、大手投資銀行は志望せず(就職活動もしない)、再エネ系IBを目指す就活はしているという人が何人もいます。大手投資銀行の中でも就職数には偏りがありますが、これはもともと偏りがあるのでネットワーキングがしやすくAlumniからのバックアップが強い(=SOMが影響を与えている)のか、就職難易度的なものでスクリーニングになっているのか、私はまだよくわかっていません。

出所:https://som.yale.edu/programs/mba/career-paths/employment-report

 

米国IB就活の概要は以下の通りです。SOMにはFinance ClubというIB就活に特化したClubが存在し、Finance Clubの指示に従っていれば大体カバーできるようになっています(再エネ系IBはプロジェクトファイナンスモデルテストもあるようです)。

  1. 各銀行が開催する会社説明会に出席し、コンタクトポイントを知る
  2. コンタクトポイントに連絡し、コーヒーチャット(OB訪問)を依頼
  3. 1回30分のコーヒーチャットを繰り返し各社の理解を深める(昨年はZoomで実施されたようだが、対面が推奨or要求されるため、片道3時間、$18(週/月定期もあり)かけてNYに行くことが多い)
  4. 11月頭に応募書類提出(Resume、Cover Letter等)
  5. Super Week(コーヒーチャット)
  6. 11月下旬~12月頭に終日インタビュー、内定

 

Finance Clubは、Career Development Office (CDO)と協力して1st year のIB就活をサポートしてくれています。代表的なサポート内容は以下の通りです。

  • 就活の全体像の説明:夏インターンの内定が出る12月頭までの就職活動関係イベントカレンダー、TODOリスト等の共有
  • 毎週のClub Meetingsと、Technical Questionの解説会:毎週、その週までにやっておくべきことと翌週にやるべきことや、就活関連情報のアップデートをしてくれる。400Qと呼ばれるTechnical Questionの解答を解説、答え方等もアドバイスしてくれる。
  • コーヒーチャットの練習:Bankerにコーヒーチャットを依頼する際のメールテンプレートを共有してくれ、コーヒーチャット依頼を一通りシミュレートしてくれる。また、業務に関連した技術的な質問に答える練習に付き合ってくれる
  • メンター制度:内定を持っている2nd yearがメンターとして精神面・技術面のサポートをしてくれる。
  • 各銀行とコンタクト(CDOとの協働):会社説明会を企画したり、SOM Alumniと連絡を取り合い、会社訪問ツアーを企画してAlumniを現役学生に紹介(その後、彼らに向けてコーヒーチャットを依頼)したりしてくれる
  • 各銀行の就活関連情報の共有:過去/直近にVisaスポンサーをした銀行の情報を共有してくれる

 

SOMではコーヒーチャットはあくまで学生主体で個別に実施するものですが、NYの学校はコーヒーチャットもClub主導で実施しているようです。西海岸の学校はNYまで飛行機で行ってしばらく学校に来ないとか、その他、NYからバスで行ける範囲の学校では学校がNYにバスを出してくれているとか聞いています。

 

執筆時点では12月末です。私の周りの友人は、12月の頭はほとんど学校に来ず面接を受けていました。Finance Clubで本格的に(最後まで)IB就活をしていた約30人程度、筆者の知る限りは全員どこかしらのインターンシップオファーを手に入れ、クラブ全体がお祝いムードで年末休みを迎えました。IB就活は上記の通りとても負荷がかかりますが、他の業界志望者と違って、年末をお祝いムードで迎えられることはとても良いことに思います。

 

※私はコーヒーチャットの段階で方針転換をしたため内定は頂けておりません。あくまで体験談である点はご留意ください。