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Takoyakiに宿るToyota way

皆さん初めまして。Class of 2018NHです。

 

ここニューヘブンもようやく厳しい冬が終わりを迎えつつあります。思えば今冬は大雪・強風・濃霧警報が頻繁に発令され,関東エリアからほとんど出たことのない僕には授業同様とっても刺激的な天候でした(例年よりマシとのことですが)。ブリザードにより休講になった時などは街中の店がシャッターを閉め,買い出しをサボっていた僕は一時深刻な食糧難に陥りましたがそれも今ではいい思い出です。

 

さてそんな中,ここYale SOMでは先日International Food Festivalが開催されました。これは各国のStudent Clubが学生に対して郷土料理を提供する,いわばグローバルレベルの文化祭といった趣旨のものです。もちろんJapan Clubもタコ焼き実演という最強コンテンツを引っ提げて参戦。しかも今年は24個同時調理可能なタコ焼き器2台を用意し,顧客のWaiting timeを最小化しつつ出来立てアツアツのタコ焼きを提供する工夫も凝らしています。1年生必修のOperations Engineという科目では徹底した在庫管理によるコスト削減に成功した事例としてトヨタ自動車のPull Production方式を習いますが,これを実践で活用していこうという今回の試み,果たして上手くいくのでしょうか?

 

32日午後5時半,Festivalスタートです。授業が終わり続々と集まってくるSOMersに対し,どのStudent Clubも自慢の料理を振舞っています。一方Japan Clubのデスクはと言いますと,電気系統のトラブルでテーブルを急遽変更するという予想だにしない事態が発生。早速Andonが点灯する不穏な展開です。それでも何とか電源を確保すると,デスクの周囲に集まるSOMersから次々と催促の声が。やばいです。想定以上のDemandに生産ラインは早くもパンク寸前。タコ焼き器2台とJapan Clubメンバーはフル稼働でタコ焼きを焼き上げていきます。15分後にようやく第一弾が完成,オタフクソース・マヨネーズ・鰹節・青のりという最強助っ人も乗っかりいざ勝負! SOMersは我先にToyota wayタコ焼きを口に頬張ります。評判は上々。日本食フリークからTakoyakiは初めて食べるよという人まで,クラスメイト達は皆幸せそうな表情です。創業以来お客様第一主義を掲げるトヨタ自動車の目指す光景がそこに広がっているように思われました。と,余韻に浸っているのも束の間,あまりの盛況ぶりに何と1分足らずで48個のタコ焼きは完食。更に噂を聞きつけた他のSOMersも続々と押し寄せ,デスクの周りはあっという間に黒山の人だかり。やばいです。どんなに短縮しても10分はかかるであろうタコ焼き生産に対して余りにもDemandingな状況。ていうかこれって普通の会社なら役員クビになるレベルでは? 稟議通した奴出てこい! と犯人探しをする暇もなく,Japan Clubメンバーは総出でタコ焼きを作っていきます。その後も客足は一向に途絶えることはありませんでしたが,タコ焼きのネタを流し込む係,ひっくり返す係,最後にトッピングする係,焼き上がり待ちの客をもてなす係と次第に分業も進み,生産効率が格段に向上するという現場レベルのKaizenも見られ,大盛況のうちに終了しました。

 

SOMの学生の中には日本に旅行したことがあったり日本文化に興味があったりする人が少なからずいる一方,残念ながら日本はアジアの一国という程度の認識の方もいます。普段膝を突き合わせて授業を受けるそんなクラスメイト達に対し,タコ焼きを通じて日本の文化と心意気を伝えることができた貴重な会となりました。